老朽化したアパートの問題点や相続でよくあるトラブル

築30年、築50年と老朽化が進んだアパートの問題点や、相続の場合にトラブルになりやすいポイントを紹介します。
修繕やメンテナンスの費用がかさむ

老朽化したアパートは、建物を維持するための費用が高額になる傾向があります。

壁の中や床下、天井裏、水回りの配管など、目の届かない部分は定期的に修繕をしていないことがほとんどで、何か問題があったら都度直すというサイクルが普通です。

建ててから一度も手を入れていないこともあるため、部品は何十年も前のものでぎりぎりの耐久値になっている可能性が高いです。

いつ起きるかわからない修繕、メンテナンスが必要になる周期は短くなっていくため、突発的な費用がかかることを常に想定する必要があります。

現状は入居者がいても、空室になったときに原状回復だけではすまないことも多く、修繕の費用がかさみます。
空室リスクが高い

入居者からすると、できるなら新しいきれいな物件に住みたいと考えるのが一般的です。

そのため、駅に近いなどの利点があれば別ですが、老朽化したアパートでは家賃を下げざるを得ません。また、そもそも家賃を下げても入居者が集まる保証はありません。

もうひとつのポイントが、耐震基準です。1981年を基準に法律が変わっており、1981年6月1日以降に建てられたものは新耐震、1981年5月31日までのものは旧耐震といわれます。新耐震は震度6程度まで耐えられるとされていますが、旧耐震は震度5程度までしか耐えられません。

耐震性を重視している場合、旧耐震のアパートには住みたくないと考える人が多いでしょう。
相続人同士でトラブルに発展する

相続人同士が定期的に会っているような仲のよい関係性があればよいですが、長い年月の中で必ずしもそういった関係性を保てているとは限りません。ましてや、お金のこととなると人は損したくないと考えるのがあたり前です。

また、それぞれ相続人の事情や状況も異なります。遺産に老朽化したアパートがあっても、現金化したい、賃貸で回したい、自分で住みたいなど意見が割れるケースもよくあります。

実際、相続のことで意見が割れたせいでなかなか話しが進まず、関係性が険悪になってしまった家族もいます。

方向性をまとめるのも一苦労ですし、そもそもアパートなどの不動産に関する知識がなく、どうしたらよいのか全員がわかっていないこともあります。

協議をしている間も、管理費などの支払いは誰かが立て替える必要があり、入居者がいて何かトラブルがあれば対応が求められる可能性があるでしょう。